人類最古の大脱走?
ふとユダヤ人のことをちゃんと知りたくなって、「じゃあやっぱりユダヤ教からかな」と思い立ち、家にはずっとあったけれどもちゃんと読み通したことのなかったこの本をひもといてみました。
タイトル通り、エジプトから脱出するお話です。
ざっくりあらすじを紹介すると、舞台は紀元前13世紀頃。エジプト人の元で奴隷として働いていたユダヤ人(ヘブライ人orイスラエル人)がいて、その中に例のあの方がおりました。そう、モーセです。
ある時モーセに唯一神ヤハウェが「私がユダヤ人達をエジプト人から解放してあげよう。君はその指導者になりなさい」と話し、そこからモーセがユダヤ人をエジプトから脱出させようとします。
モーセはエジプトの王ファラオに掛け合い、ユダヤ人をエジプトから出してくれと言うけれども、好きなようにいくらでも働かせられる人達を手放すはずもなく、NOを突き付けられます。
で、ヤハウェはそんなファラオへの見せしめとして、十の災いをもたらす。
ナイル川の水を血に変えたり、蛙とかぶよとかあぶとか放ったり、疫病を流行らせたり、エジプトを暗闇で覆ったり、長子を皆殺しにしたり…。まあ凄まじい。
こんだけひどい目に遭わされたファラオはたまらず、「もう行け」とモーセに言うので、モーセはユダヤの民を引き連れて出て行く。だけどもやっぱりあきらめきれずにエジプト人が追いかけて来る。
そこでユダヤ人たちは口々に「だからエジプトで奴隷をやってた方がマシだって言ったのに」とか「何で俺達をこんなところに連れ出したんだ」とか文句を垂れるのだけれども、そこでモーセがヤハウェの指示通りに杖を海に向けてかざすと、海がばっくり二つに割れて、ユダヤ人はその間を通る。その後を追いかけてきたエジプト人達は、モーセが再び海に向けて杖を振った瞬間、元に戻った海に飲み込まれて死亡。
と、大体こんなかんじ。
知ってる人からすれば何をいまさらな話だけれど、改めて読んでみると、ヤハウェのけっこうな残虐さが目に付く。選民思想とか言われるだけあって、ユダヤじゃない人達には加護もへったくれも無い感じがすごいです。
モーセの話はこのあとも、レビ記、民数記、申命記へと続いていくのだけれども、実は岩波文庫からはこれらは出ていないという…。旧約聖書自体はあるけど、そっちはなぜか文語訳で読みにくいことこの上ないという…。
こうなるともう、ぜんぶ収録されてる旧約聖書そのものを買うしかないのかな(^_^;)
安くて読みやすい旧約を入手できればベストだけど、そんなこんなでとりあえず、次は同じ岩波文庫のヨブ記に進む予定です。こちらもずっと前に購入だけはしてるので。
ヨブ記のテーマが『義人の苦難』ということで、物語としても面白いんだろうなぁと期待しつつ、今日はもう寝ます…。良い夢見ろよ。